2007.8.16
8月に想うこと
終戦記念日だった昨日。
映画を観るために渋谷へ行きました。
公開されるずっと前から、8・15に観ようと心に決めていた作品でした。
タイトルは『夕凪の街 桜の国』。
2004年に発表された、こうの史代さんの同名漫画を映画化したものです。
物語の舞台は、原爆投下から13年経ち、復興を遂げた広島。
父、姉、妹を失い、母とふたりで健気に生きる26歳の皆実(みなみ)は
会社の同僚、打越さんのことが気になっています。
彼も皆実のことを好きだと言ってくれる。
けれど、彼女は一歩足を前に出すことができません。
家族や友だち、広島の人たちはみんな苦しみながら死んでいった。
それなのに、自分は生きていて、しかも幸せになるなんて許されない……と
かたくなに幸せを拒絶しようとするのです。
そんな皆実に打越さんが言います。
「生きとってくれて ありがとう」
そして、皆実は初めて「もっと生きたい」と願うのでした。
この作品には、いわゆる、原爆2世と呼ばれる世代―私たちと同じ世代―の
もうひとつの物語が盛り込まれています。
舞台は現代の東京。
皆実の姪にあたる、28歳の七波(ななみ)が主人公です。
原爆2世として、いろいろな差別を受けながらも、明るく生きる彼女が
ひょんなことから、自分のルーツを探る旅に出ます。
父と母の馴れ初め。
若くして死んだ、叔母・皆実のこと。
弟と恋人のこと。
すべては、運命のようにつながっていたのでした。
私がこの漫画と出合ったのは、去年の夏。
いまでは友人となった、女優の玉井夕海ちゃんを初めて取材したときに
彼女が教えてくれたのでした。
8月6日生まれの夕海ちゃんにとって、広島は思い入れの強い場所だそうです。
むかしむかし、この日に何かあったのか?
なぜ、自分はこの日に生を受けたのか?
小さいころから、いろいろと考えてきたといいます。
初めて漫画を読んだときは、強い衝撃を受けました。
グロテスクなシーンなど、ほとんど出てこないというのに
しばらくは放心状態で、何も手に付かなかった。
そして原爆は、いえ、戦争はまだ終わってないんだな、と感じたのでした。
沖縄で、ゆめゆりの塔の資料館を見たときも同じだったけれど、
「自分にはいったい、何ができるだろう?」
ということが、頭をぐるぐるとまわりました。
映画で、七波を演じた田中麗奈さんが
あるインタビューで印象的なことをおっしゃっていました。
「原爆資料館を一緒に見た母に、“平和のために何ができる?”って聞いたら
“私は自分の家庭を守ることくらいしかできない”と言ったんです。
でもね、それでいいと思うんですよ。
家族の幸せを守りたい気持ちが、平和に繋がるんじゃないでしょうか」
私も同じようなことを感じた。
自分のまわりにいる大切な人たちを想って、大切にして、生きていけばいい。
そして、過去にあったことをちゃんと知って、死んでいった人たちを忘れないでいよう、と。
この物語を私に教えてくれた、夕海ちゃん。
この場を借りてありがとう。
そして、30回目のお誕生日おめでとう!
終戦から62回目の8月15日。
若者たちでごった返す渋谷の交差点に立って、生きていることの幸せをかみしめました。
コメント
ゆゆんこさん、こんにちは。
私も終戦記念日にこの映画を母と見てきました。見ていて涙がとまりませんでした。映画が終わって泣きやんだ時に、ふと自分にあふれてきた思いがありました。うまく言えないのですが「戦争」はまだ終わっていなくて、たくさんの人の中で続いているのだということを感じました。今この時代に生きる自分のあり方を深く考えさせられました。ゆゆんこさんと同じ映画を見られて良かったです。私もこの映画を教えてくれた友達に感謝したいと思います。
投稿者: yuko3ta | 2007.8.16
yuko3taさん
私も、涙、涙、また涙。涙腺の蛇口が壊れたの? ってくらい泣きました。
原作を読んであらすじを知っていたのに……。
yuko3taさんが「自分にあふれてきた思いがありました」とおっしゃる気持ち、
すご〜くよくわかります!
私もいろんな気持ちがぐるぐる、ぐるぐる心のなかにあふれていました。
「うまく言えないけど、誰かに伝えたい!!」って。
七波が「生まれる前から両親を知っていて、ふたりを選んで生まれてきた」と
語るセリフがあるじゃないですか?
あれにも、すごく共感しました。
私もきっと、自分の父母を選んで、この世にやってきたと思っているので。
yuko3taさんはお母様とご一緒に観られたんですよね。
素敵ですね!
その後、どんな話をなさったのでしょうか。
うちの母にもぜひ観てもらって、母娘で感想を語り合いたいものです。
投稿者: ゆゆんこ☆プレス | 2007.8.16
ゆゆんこさん、コメントありがとうございました。実は今日もこの映画を伝えたくて、自分のパートナーと観てきたのです。ゆゆんこさんのコメントにあった「この両親を選んで生まれてきたのだ」というセリフに、私の彼は涙が止まらなかったようです。戦争のもたらしたものの大きさと共に、家族というか人間への深い愛情を感じる映画でした。コメント、ホントにありがとうございました!とても嬉しかったです。
投稿者: yuko3ta | 2007.8.16
yuko3taさん、こちらこそ書き込みありがとうございます!! 私もすごく嬉しかったです☆
彼氏さん、きっと優しくて心が豊かな方なんでしょうね。
涙を見せない男の人も多いけれど、私は素直に泣ける人のほうがカッコイイと思います。
大切な人にyuko3taさんの“想い”が届いてよかったですね。
ロウスタのなかでも、反響があり、
たまたま観ていた、スタッフまりぞうと映画話で盛り上がりましたよ。
また、スタッフまりおも、休日に観に行くと言ってました。
広島出張で現地の空気を吸った彼女にとっても、興味深い内容だと思います。
スタッフブログ上に感想が寄せられるかも!?
本当にいい作品なので、この輪が、少しでも広まっていけばいいですね〜。
投稿者: ゆゆんこ☆プレス | 2007.8.16
東京でも公開されているのですね。
私は戦争映画は辛いので避けていたのですが、
娘が見たいのと言うので、勇気を出して観てきました。
ロケ地が近所なモノで、ついつい頭の中で
ロケ地めぐりをしてしまいましたよ^^;
おの大きな木は本当にあるのですが、お地蔵さんが居ないのが寂しいな〜
普通に被爆2世のpikteddyより
投稿者: pinkteddy | 2007.8.16
pinkteddyさん、書き込みありがとうございます。
「夕凪の街」はまだまだ、残暑が厳しいことでしょうね。
お元気ですか?
脳内ロケ地めぐり、素敵です!
映画に知っている風景が出てくると嬉しいですよね。
九州育ちなので、広島はとても近い場所に思えますが、
さすがに私の知っている風景は登場しませんでした。
上京して以来、すっかりごぶさたしているので、久しぶりに遊びに行きたいです!!
そのときは、おすすめスポットなど、ぜひアドバイスしてください。
よろしくお願いします♪
投稿者: ゆゆんこ☆プレス | 2007.8.16