Diary&Column/プレス

2006.3.25

サプライズな思い出

3月。
この時期になると思い出すできごとがある。


私が上京することを決めたとき(正確にはずっと前から決めていたから、それを伝えたとき)
友人たちは皆、心から応援してくれた。

友人A:「夢が叶うといいね」
私:「ありがとう、がんばるよ」

友人B:「ジャニーズと友達になって紹介してよね」
私:「う、うん……。でも、あんまり期待しないでね」

友人C:「顔のいい悪い男にだまされるなよ」
私:「そうねぇ、人恋しくなったときは特に要注意だね」

友人D:「疲れたら無理しないで帰っておいで」
友人E:「私たちのこと、忘れないでね」
私:「うん。ありがと……」

それぞれの言葉、いろいろな励まし。
ありがたくて、切なくて、幸せで。


もうすぐ旅立ちというある日、友人Yちゃんから電話がかかってきた。
「○日にTちゃんと3人でごはん食べに行かない?」
最後に食事しようというお誘いだった。

約束の日程は○日の19時。
が、その日、私は仕事が長引き、その時間になっても会社を出られなかった。
20時近くになったころ、しびれを切らしたTちゃんから電話が鳴った。
「ね、まだ? ゆっくり話したいから早く来てほしいな。なるべく早くね!」

急かされ焦った私は店へと急いだ。
その店はたまに訪れていた洋風居酒屋。
勝手知ったる店のドアをヒョイと開ると、そこにいたのはTちゃんとYちゃん、そして……。
なぜか、学生時代のサークルの友人たちが大勢いる!
いるはずのない人たちが、揃っていたのだ!!

「えっと、なんで? どーして、みんないるんだっけ? 偶然? んなわけないよね」
そんなひとり突っ込みをつぶやきながら、しっかりパニック状態の私。
ニヤニヤ笑うみんな。

「優子を驚かせようと思って、みんなで計画したんだよ。喜んでくれた?」
幹事のTちゃん&Yちゃんが種明かしをする。
彼女たちがみんなに声をかけ、サプライズパーティを催してくれたのだった。

ビックリしたとき、人は気の利いたことは言えないもんだなぁ。
そんなことを頭の中でしみじみ思いながら、私は無言で思い切り首を縦に振った。
だって本当に、ほんとーに、驚いたんだもの。
きっと長いこと、私は鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていたんじゃないだろうか。

サプライズパーティは、同窓会へと早がわり。
遠い街へ就職した人や、卒業以来会っていなかった人も多かったので
思い出話で盛り上がったり、近況報告しあったり……。
時間はあっという間に流れた。
ずっとずっと、この時間が続けばいいのに。
そう思ったけど、無情にもお別れのときはすぐにやってきた。

最後に「女の幸せをかえりみず、夢を叶えるため旅立つあなたをここに送る。by有志」
そう書かれたピンク色の表彰状を渡された。
手彫りしたと思われる、サークル名の判子が押された凝ったものだった。

「女の幸せ、諦めたわけじゃないんだってば!」
涙があふれてきそうになったので、そんな憎まれ口をたたきながら、笑ってみんなと別れた。
店の外には、冷たいけれど、ほのかに柔らかい春の風が吹いていた。


これが私のサプライズな春の思い出。
桜の花がほころび始める時期になると、昨日のことにように浮かぶ。
そして、むしょうに懐かしくなる。

みんな、どうしてるかな?

この春も幸せでいてくれたらいいな。
ただただ、そう願う。

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