Diary&Column/プレス

2006.1.29

人ごみの中の出会い

「新宿の交差点を歩いているとき、よく思ったよ。
“今すれ違った人とは、もう2度と会わないんだろうなあ”って。
それくらい、たくさんの人がひしめきあってる街なんだよね、東京って」。

私が仕事を辞め、上京すると伝えたとき、上司のMさんがそう言った。
そのときはピンとこなかったけれど、いまならよくわかる。


東京の街は、どこもかしこも、人、ひと、ヒトであふれている。
うちの最寄のターミナル駅である渋谷駅の前など、
駅からはきだされる人と、吸い込まれていく人の群れが交差して、まるで洪水のようだ。


ときどき、そんな人ごみにうんざりすることもあるけれど、
基本的に私は人がたくさんいる場所が好きだ。
いろんな人の顔を見ながら、その人のことを想像するのが楽しい。

「青森から上京してきて2年目。大学に通いながらファーストフードでバイトしてる女の子」
とか、
「中堅の保険会社に勤務して12年。役職には就いてないけど、リストラの心配もなく
奥さんとふたりの子供とささやかに暮らしている人なんじゃないか」
とか。

もうきっと2度と会うことはないだろうと思いながら、想像するのだ。
そんなとき、Mさんの言葉がちらっと頭をよぎったりする。
そして、「本当ですね、東京はいろんな人がいる街なんですねえ」と言いたくなる。

って……ちょっと間違えれば、私って妄想癖のある変な人?(笑)


昨日、中目黒駅(代官山よりひとつ横浜寄りの駅)のホームでバッタリある人に会った。
この駅は東京メトロ日比谷線と、東急東横線が乗り入れる、比較的大きな駅。
待ち合わせもせずに知り合いと会ったことなんて、これまで1度もなかったのだけど。

その人物が誰だったかというと

デザイナーのマキ、だったのでした!

渋谷へ向かうマキと、銀座へ向かう私。
もちろん、乗るのは違う電車。
ここで出会う確率はきっと、数%しかなかったはずなのに。


人だらけの東京で、こんなこともあるんだなぁとビックリだった。


ふと、もしかしたら「もう2度と会わないだろう」と思いながらすれ違っている人に
運命の人(恋人、という意味だけではなくて)がいるのかもしれないな、と思った。

そう思うと、人ごみでのマンウォッチングがますます楽しくなりそうだ。

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