Diary&Column/プレス

2005.10.09

秋の味覚が運ぶ記憶

伯母から小包が届く。
サトイモ、シイタケ、ナスに栗……。
発砲スチロールにはギッシリの秋の味覚が詰まっていた。
「筑前煮でも作ってね」。
温かな言葉も添えられていて、嬉しい気持ちでいっぱいになる。

よし、今夜の献立は決まった。
筑前煮と栗ご飯だ。

実家住まいをしているとき、よく母に
「ひとり10個ずつね」と栗の皮むきを言いつけられた。
私たち3人姉妹は面倒くさいよ、と文句を言った。
母は何食わぬ顔で
「ほら、想像してごらん。ほくほくの甘い栗がたっぷり入った栗ご飯。
みんなで頑張ってむいたら、何杯もおかわりできるんだよー。
はい、いっぱい食べたかったら、力を合わせてむこうよ!」

そう言って私たちをやる気にさせた。
母お得意のアメとムチ作戦だ。
「疲れたよねぇ」
「もう手がダルイよぉ」
ぶーぶー言いながらも、ちょっと楽しかった幼い頃の記憶がよみがえってくる。

久しぶりの栗皮むきは、やっぱり面倒くさかった。
あと1個だけにしよう、よし、もうひとつだけ……。
自分で自分を励ましながら、結局、20個むく。
子供の頃より10個も多くむいたよ、と何だか母に自慢したい気分になった。
「ふーん」と鼻で笑われそうだったので、電話するのはやめておいたけど。

・塩を気持ち、多めに入れること
・料理酒を小さじ一杯いれること
・ダシのよく出る昆布を一切れ入れること

これが母から伝授されたレシピ。
ツヤツヤに炊けた栗ご飯は、かつて母が作ってくれたものと同じ味がした。
ちゃんと母の味を受け継ぐことができたんだなぁ。
そう思うと、ちょっと感慨深い。

楽しい記憶が詰まった秋の味覚で、次はどんな料理を作ろう?

コメントを投稿