Diary&Column/おさる式茶藝館

2007年04月01日

「ライト・テツ・ライフ」...夢はドクターイエローを見ること

システムはよくわからないのだが、関口宏の息子が片道切符を用いてひたすら電車に乗って行く、
っつう番組をNHKで見た時、心の底から受信料返せと思った。
なんという意味のなさ、なんという無駄...。
どうせ全国まわるんだから、お前ついでに支払い拒否の受信料でも集金しろよ。などと悪態をつきながらも
何故かせっせと見続けてしまったのは、今思えばわたくしにテツの要素があったからかもしれない。

もっか我が家では鉄道がアツイ。甥の開蔵(仮名・3歳?)が大の鉄道好き!という理由から。
人間誰しも、好きな事に関しては覚えも早い。
乳幼児とて例外ではなく、まだしゃべるのもおぼつかないお子が
カタコトながらもあらゆる列車の名前を覚えているのは全くもって驚異である。
勢いわしらも開蔵のご寵愛を受けたい一心で、競うように鉄道周辺の諸々にはまっていくことになる。
Nゲージを買い与え、電車の写真のついたパスネットを集め、
旅先ではご当地もの列車を写メールで撮ってせっせと送信...。
自分にこんな日がやってくるとは、げに人生とは油断ができぬ。

知性派のわたくしとしては、鉄道を知る為にまずマンガから入ってみた。どこが知性派だ。
とりあえず鉄道のことは全然わからんので絵がある方がいいかなーと思って。
まず着手したのは綾辻行人&佐々木倫子の『月館の殺人』(上下巻・小学館IKKIコミックス)。
謎の豪華列車で殺人が起きるっていう話なのだが、この本で私は“テツ”の存在を知った。
所謂鉄道ファンというか鉄道おたくというか、鉄道をこよなく愛す人々のことを指す呼び名で、
甥の開も明らかにこちらにくくられるのであろうな。
テツにも色々ジャンルがあるらしく、写真を撮ることが好きな“撮りテツ”、
とにかく各地に行っては乗りまくる”乗りテツ“、
時刻表を熟読しては乗り継ぎなんかを考えたりする(のかな、よくわかんないけど)”時刻表テツ“、
他にも”模型テツ“”コレクションテツ“...などなど。
ミステリとしても楽しめるが、豪華列車に乗り合わせたテツな人たちの業の深い行動がかなり面白く、
テツ入門編としては適当な一冊であった。

更にディープさ求めて読んだのが、菊池直恵&横見浩彦の『鉄子の旅』(全六巻・小学館IKKIコミックス)。
鉄道に何の興味もない一般人である漫画家の菊池さんが、JR・私鉄全線全駅下車っつう
偉業を成し遂げたトラベルライターで筋金入りのテツ・横見さんに振り回されながら
各地の鉄道に乗るというマンガ。とにかくハンパじゃないテツ横見の激しいキャラに圧倒されるんですわ。
鉄道を愛するが故のキテレツな行動に最初こそドン引きするけれど、
どんな無茶な工程にも菊池さんと共にだんだん慣れていくのがスゴイところだ。
「観光なんかしてる場合じゃない」「しまった、連休だからテツが多い」「時間があまったからもう一往復」
などの傑作が多い横見語録も実に味わい深い。

最近では酒井順子が『女子と鉄道』(光文社)なんかも書いてるし、女子にもテツの波がきているのかも。
牛に引かれて善光寺参り的に鉄道に興味を持った私ではあるが、
毎日の出勤もちょいテツ目線で過ごしてみると楽しく思えるのは気のせいか。
品川から田町への間、車両基地にも熱い視線を注いだり、京急線の連結にもときめいたり。
そして今となっては関口宏の息子がくだんの旅をしながら書いた本(案外絵が上手い)なんかも
手にとってしまうほどに成長?したのである。いい加減名前覚えてやれよ、とも思うが。