「好きな貴方の書いた本」...恋は思い込みざます
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを(小野小町)
ってわかる!わかるでー小町はん。
惚れたお方が夢に出てきはったらな、そら起きたないわな。
と怪しい関西弁で激しく同意してしまう程に、
好きだと思った人の夢を見ることが多い私である。
自分では意識してなくても心は思っているのだわ。それが夢に現れるのだわ。
どうせリアルで会えないならば、夢での逢瀬を楽しみたい。
このまま、自分本位にいい感じの夢だけを見ていたい……
夢見る乙女・おさるです。ちょっとイタイと思われがちです。
最近は専ら石田衣良の夢が多いな。好きだからな。それも結構本気で好きだ。
そこが私のイタイとこ。
石田衣良には4回会った事がある。も、もうそうじゃないよ!
まあ会ったと言ってもサイン会なんですけどネ!でも“会った“事には変わらん。
初めてサイン会に行った時は、動く生・衣良のあまりのかっちょよさと
どこか広告代理店ぽいけど一人一人と気さくに話す感じの良さ、
そいつらが勝手に投げてくる話題もさらっと受け止めて即返す頭の回転の速さに
ただただ吃驚して、アウアウしちゃうばかりであった。
私の名前は「のし」と言うのだが、「本名?」って聞かれた事しか覚えてない。
二度目の時は、「あー、この名前は書いた事があるぞ」って言いながらサインして、
「小説で使うには出来すぎた名前なんだよね」みたいな事を言っていた。
小説で使っても宜しくてよ。とは声に出して言えなかった。
次のサイン会では“のしちゃん 覚えてるさ”と書いてくれた。
もう、惚れるしかないでしょ。
作家にしては(失敬)ビジュアル的にも大層テレビ映えするし、
やや毒を含みつつもまっとうでオトナな意見も、ちゃらちゃらしたことも言えるので
最近ではよくコメンテーターとして登場している姿をよく見る。
そんな衣良を見るのも嬉しいけれど、
やっぱり好きな人が書いた作品が読めるのは何ものにも代えがたい幸せでしょう。
ストリートの今を切り取るクールでナイスなIWGPのシリーズは抜群に面白いし、
愛と勇気のSF長編も、少年達を主人公に書いた直木賞受賞作もそれぞれ良い。
でも私は密かに衣良製恋愛小説が大好きだ。
衣良によって描かれる、普通の人の普通の日々に訪れる特別な出来事。
こんな素敵なことが起こったら良いな、とうっとりできる余地と、
もしかしたら自分にも起こるかもしれない、と思える範囲のリアリティの間で
一喜一憂しながらどっぷりと本に浸かって恋愛を体験できる。
好きな人に会えなくても、好きな人の書いた本が読める私は
シアワセ者だと申せましょう。そう思いましょう。
そして本を読んだら眠りましょう。夢の中で会えるように。
…なんつって、うーむ相当イタイぞ。