「着物が似合う町」...へえ、うちら京女どす(大嘘)
“京都で着物“というのはいかにも過ぎて気恥ずかしいが、こっそり憧れであった。
鴨川沿いをそぞろ歩き、寺社仏閣で静かな時間を過し、
南座で歌舞伎鑑賞と洒落込み、町家を改造したレストランでお食事……
ありがちな定番シーンにもいちいち映えてしまう着物姿のわたくし。どうよ。
嗚呼そんな自分を見てみたい!自意識がスパークするおさるであったがしかし、
着物を着るとなると荷物がとてつもなく増えてしまうのね。
女子高生だったら、ありえない重―い!とか言っちゃうくらいにね。
といいますかわたくし、それ以前にばあやがいないと着物が着られませんの。
うーんぜんぜん駄目じゃん。つうわけで“京都で着物”は憧れのまま
長いことほっとかれておったのである。
が、ここへきてにわかに現実味を帯びてくる着物計画。
調査能力&実行力に秀でし頼れる道楽の女王、友人のカッパが探し出してきた
わしらの強い味方、それがザ・西陣織会館であります。
肌襦袢と足袋を持参すれば3000円ほどで着物をレンタル、
着付けをしてくれてそのまま外出オッケー、つうわけで早速予約を入れてもらった。
まず、数十枚の小紋の中から好きなものを選ぶのだけれど、
正直あまり好みな柄がないのでさして迷うこともなく即決ですねん。
カッパは凛としたブルーに小さいお花柄が可憐な、イメージ的には梨園の妻風、
おさるのは全体に椿を配したえんじ色の着物で、気分は竹久夢路が描く女子。
それぞれが己のセレクトにうっとりと酔っている間に、
プロな雰囲気をばんばん醸し出してる着付けのおばちゃん達が
それらに合う帯や帯揚げ等をさくっと用意してくれ、
マッハの速さでしかもきっちりと美しく着せてくれるのです。
着物着用時に必須の息苦しさとかきつさが全く感じられず、しかも着崩れなし。
おばちゃんすげえよ!と心の中で喝采しつつ
これまた用意してもらった道行を着て念願のお出掛けと相成りました。
わしらが京都に滞在した時期はちょうど「京都市伝統産業の日」に関連した
記念事業が色々と催されており、着物を着ている人に限って各種美術館の入場が
割引になったり、市バスや市営地下鉄が無料で乗車できる券が配布されていた。
それらの券を上手に使うとかなりお得に京都を楽しめる。
他にもタクシー10%引きとか、着くずれお助け店舗があったりとか
全体的に実に着物に優しい町なのね。もうどんどん着たくなるよね。
果たして“梨園の妻”と“夢路の女”は、プライスレスな満足感を胸に
春の雪が舞い散る京の町歩きを楽しんだのでありました。嗚呼おれらサイコー。