Diary&Column/おさる式茶藝館

2004年12月29日

「飲んで何を語るか」...好きな言葉は”無礼講”

作家の故・山口瞳氏は、お酒を飲んでどれほど酔っても
人の悪口を絶対言わなかったと言う。確か「サライ」で読んだ。
ううむ、それがオトナの文化人てもんなのネ。と感心するも、
そんなお方とご一緒するのは今ひとつ気が進まないのネ、と思ってしまう若造だ。
なんとなれば、飲みながら人の悪口を言うのは実に楽しいからだ!カミングアウト。
職場の上司同僚知り合い芸能人文化人元彼身内生きていようが死んでいようが
片っ端から槍玉にあげては胸のすく見事な悪口で仕留めていく爽快感。
悪口が気持ちよく決まった時のある種達成感にも似たは高揚は、
更に飲酒のピッチをあげる何よりの肴だ。
美味しいお酒に酔わされてお口はどんどん滑らかに……と、
酒悪口酒悪口の相乗効果によりほとんど恍惚としながらシアワセな夜は更けて。
嗚呼なんて人でなしろくでなしであろう。
が、例え己の好感度(あるのか?)が下がろうとも、この楽しみは譲れない。
と言いますか、悪口程度で気が晴れてまた明日からの社会生活も
スムーズに運べるならばこんないいことはないじゃないすか。

しかしてこの“気分良く酔える悪口”というのはなかなかにムツカシイ。
聞いているだけでもうドロドロとしちゃうみたいな、
後ろ向きで湿り気のある野暮な悪口はいただけない。
どこかすかっと突き抜けてそこはかとなくユーモラスな悪口を放つには、
スキルとセンスが甚だしく問われるものなのだ。
悪態の語彙も豊富でバリエーションに富んでいれば尚よろし、
悪口を言って貰えることすら名誉に感じるような、最早芸術的水準の悪口を
わたくしは目指したい。人として正しいかどうかは疑問だが。

いや、悪口じゃなくて、今日のテーマは“楽しいお酒“なんですわ。
飲みながらの話題で盛り上がるのはやはり恋愛沙汰かな。
のろけもだめんず話もそれなりに面白い。
人の恋愛話に説教をするのも私は好き、らしい。よく覚えてないが(とぼける)。
これが多くなったらいかんなあと危惧しつつキライじゃないのは、
昔からの友人とのどっぷり思い出話。あの頃は良かった的な。
もうどんどん年を取っているので、思い出話のストックは充分なのである。
油断すると80年代の話ばっかりになっているので注意注意。
そしてやっぱりわたくしは本の話をしている時が一番楽しいな。
前置きとか説明もなしで同好の士と共に活字まわりの話を
だらだらとし続けるだけで、もう嬉しくって仕方ない。
普段は言えないネタバレも批評家ばりのえらそうな意見も
萌えキャラ比べも一人で抱えていた納得の行かない結末も、
ぜーんぶ語り尽くすまでは生きていたい!
読まずに&飲まずに&言わずにに死ねるか、なトリプル内藤陳なのでありました。
なんだそりゃ。

というわけで忘年会や新年会と何かと飲む機会の多いこの時期、
皆様におかれましても楽しいお酒が飲めますように。では乾杯。