Diary&Column/おさる式茶藝館

2003年11月28日

「ショーの主役は我々でもある」...そんな勘違いもアリな冬の日

マルイのCMが気になっている。といいますかカンにさわっている。
冬の花火、船上パーティー、今時どこであんなバブリーな催し物を?
平成の大不況時代にそぐわぬ高価そうな服を着て微笑む彼女らは一体何屋さん?
なーんて多少のやっかみを交えながらも、
バブルな80年代に青春を謳歌(って古いなわしも)していた世代にとっては
なんだか懐かしい感じもする景色ではある。
あ、私は船上パーティーなんてやったことないけどね。

冬は何かとイベントが多い季節だ。悔しいがワクワクするぞ。
昔話で恐縮ですが、パー助な学生の頃に毎年サークルで開催しておった
クリスマスパーティーがわしらの最大の楽しみであった。
渋谷とか六本木とかの“カフェバー”(ていうのがあったのよ)を借り切って、
一年生から四年生まで老若男女?が着飾って集っては
ビンゴだのチークタイムだの下等なゲームだのに興じる夕べ….なんつって
うひょーバカでしょー。でも色んな意味で勝負の一日だったのだ。
昼ドラ並みの思惑や陰謀?が渦巻いて、何にかはわからんが絶対負けられない!
という意気込みで皆鼻息荒くなっていました。
特に女子は何を着て行くかが重大な問題であった。大変よー女子って。
なにしろDCブランド全盛期であったから、人気のブランドのいちおし服などの
分かり易いものを選んでしまうと誰かとかぶるリスクも結構あるのだ。
見極めの甘さ故、全く同じワンピースで登場し険悪な女同士一組。てな按配で。
大変だと言いつつもそんなのを含めて洋服を考えるのが毎年楽しかったなあ。
やはりたまには着飾ってなんぼの女子であるのよ。

社会人になってからというもの、12月は専ら忘年会のシーズンで
とにかく飲んだくれる為汚れてもいい服装で!というのが鉄則である。何で汚れる。
ですから久々にお洒落な12月のイベント、ROUROUのファッションショーは
女子的にはとっても胸躍るものでありましょう。
例え自分が出なくとも(当たり前だ)“ショーを観に行くわたくし”という
そんなシチュエーションに酔える、
そして知らず知らずと衣装関係に気合が入るのが女子っつうものであろうか。
と、そこを読んであえてラフでふらっと赴くというのも勿論アリだ。
ああ本当に女子って面倒くさく且つかわゆらしいものなのよん。

2003年11月27日

「ベストドレッサーを読む」...書物の中のお洒落ガール、伊達男

たまに立ち読みする(すまん)「本の雑誌」で、
本に登場するベストドレッサーは誰だ!?みたいな企画をやっていた。
面白そうだったので詳しく読まずに早速自分でも考えてみた。

真っ先に思いつくのが、お洋服のことが小説の重要な一部になっている
嶽本野ばらちゃんの一連の小説かな。
中でも「世界の終わりという名の雑貨店」(「ミシン」収録/小学館)に登場する、
全身ヴィヴィアン・ウエストウッドをまとう少女の印象が強烈だ。
ラブジャケット、ミニクリニ、オーバーニー、ロッキンホース・バレリーナ。
これでもかと続くヴィヴィアン服の描写はどこかシュールであくまでも美しい。
こんなに美意識過剰なのに決して上滑りしないのが流石の野ばらちゃん。
ヴィヴィアンは君にとって何?と聞かれた少女の、
「多分、矜持。」という答えを含め完璧なまでの野ばら的世界でございます。

野ばらちゃんの小説に出てくる少女たちは、ロリータ系のファッションが多くて
かわゆらしいけれども正直いまひとつのめり込めないこともある。
そんなやや妙齢のわたくしが良いなあと憧れるのは、
近藤史恵の「散りしかたみに」(角川文庫)に登場する、通称・滝夜叉姫だ。
梨園を舞台にした(ってとこもツボ)シリーズもののミステリの一冊で、
滝夜叉姫と呼ばれる女子の着物姿がいっぷう変わっていて格好良い。
着物のルールにはいささか外れた着こなしらしいが、
その外れ具合すらも彼女らしくさまになっており“ぞっとするほど粋“だと言う。
不吉なほどに美しい彼女の、ファム・ファタルな感じがこのミステリに相応しい。

世界一好きなボストンの私立探偵・スペンサーもなかなかお洒落でかっちょいい。
そのファッションは「スペンサーを見る事典」(早川書房)でイラスト入りで
詳しく紹介されており、これを眺めるのも結構楽しい。
私がダントツに気に入っているのは、彼がジョギングする時に着ていたTシャツで
胸の所にスーザン(恋人ね)の顔写真がプリントされてるの。
いいオトナの男子がアホアホでしょ….でもなんだか可愛くて。
これはまあスペンサーだから許すって感じです。

というわけで私が考えるベストドレッサーが揃ったところで、
また明日「本の雑誌」にはどんな登場人物がノミネートされていたか確認しよう。
立ち読みで。ほんとすまん。

2003年11月20日

「東京タワー・サイド・メモリー」...ムード歌謡ではありません

浜っ子は横浜が一番と思っているので、
大都会・東京に関しても正直そんなにありがたがらないとこがある。
未だ丸ビルも六本木ヒルズも汐留(シオサイト?)も行った事がない
OL失格なわたくしなのであるが、浜っ子なのでまあいいか。
それでも東京タワーには不思議にわくわくさせる魅力があると思う。
あの似非エッフェル塔みたいなキュートでポップな姿かたちを目にすると
なんだか嬉しくなりませんか。
今の勤め先が東京タワーのすぐ近くなので、朝な夕なに眺めてみては
いちいち「あ、東京タワー」って心の中で思ってみるのが何か楽しい。

ユーミン様の曲で「手のひらの東京タワー」っていうのがあったのだが、
どんな曲だったのかちょっと思い出せない。
その曲が入ったアルバムをよく聞いていた頃まだお台場は単なる埋立地で、
何にもなかったのに(何もなかった故に?)有名なデーティング場所だった。
作られた海岸と、向こう側に見えるぼーっとしたオレンジ色の東京タワーが
おもちゃみたいにかわゆらしくて、ちょっと出来すぎなくらいの夜景が見えた。
一度だけ、大好きだったけどただの友達である男子が連れてきてくれたんだ。
奴は彼女とデーティングでここに来るんだなあって思って、
少し哀しい気持ちで眺めた手のひらサイズの東京タワーがせつなかったです。
彼はもう二児の父親だったりするけど、そんな出来事を覚えているかな。
...忘れてるねきっと。

江國香織の「東京タワー」(マガジンハウス)という本はなかなか素敵だ。
内容はともかく、私はこの本の装丁と帯の文句がいたく気に入っている。
光がちょっぴりぶれた夜景の写真に白抜きのタイトな文字が格好良い。
「恋はするものじゃなく、おちるものだ。」というフレーズにヤラれるでしょう。
今度恋におちたら、是非とも会社帰りに東京タワーへ行ってみたい。
ひんやりした空気の中、オレンジ色のあったかい光を目指して並んで歩くのだ。
縮まりそうで縮まらない微妙な間で、とりとめのない話をしながら。
東京タワーについたらやっぱり展望台に登って、
そして今度は逆にお台場を眺めるのかな。
今ではすっかり未来都市みたいになっちゃったお台場を見て、
嗚呼なんて遠いところまで来てしまったんだろうって思うのかな。
そんな気持ちに浸りたいので断固としてデーティングをしなくては。
なーんて今日も東京タワー相手に何の役にも立たないことを目論む私であった。