Diary&Column/おさる式茶藝館

2003年04月25日

「デートしたくなるワンピース」...恋に落ちたらROUROUを着よう

彼女はいつだって好きな人が1ダースはいて、常に恋におちている恋愛至上主義だ。
その対象は老若男女、生きていようが歴史上の人物であろうが本の中の人だろうが
気に入ってしまえばお構いなし。ただ愛のみが彼女を動かす。
最近星占いでも金運しかチェックしなくなったわたくしとしては、
彼女の恋愛体質を半ば呆れつつも羨ましく思いながら見守っておる次第だ。

流石の彼女も結婚してからは恋愛沙汰から足を洗ったかに見えた。
一応人妻ではあるし(そんな言葉には何の意味もないんだけどねホントは)、
加えて今の職場には体育会系爽やか青年や育ちの良さげなボンはいるが
彼女好みのアーティストな匂いがする男子は品薄らしい。
“所詮この業界は私の美意識についてこられない”と悟りの境地であった。
これでやっと大人しくなると思っていたがしかし。歴史は繰り返す。
実は彼女の職場は異動が多く、どうやら登場したらしいのだ運命の男が。
一体ヤツの人生には“うんめいの”って形容詞がどれほどのもんなのか。
ひとやまいくらで売ってそうな安さだ。
だが本人はいたって大真面目、今回は洒落になんないのよとため息をつく。
昔好きで好きででもどーにもならんかった男子に瓜二つだと言う。
あまりにも似ていたので初め何かの企みかと思ったそうだ。何の企みだよ。
その酷似ぶりに彼から目が離せず、ちっとも仕事にならないと嘆く彼女は
それでも幸せそうである。幸せそうだけど、本当に洒落にならないのか
今回に限って彼女は何も行動を起こさない。
“キレイすぎてフリーズしちゃう”とか何とか言ってるけれども
どーにもならんかった男子が残したトラウマのせいだろうと踏んでいるので、
貴様らしくないぞ!いてまえ!とたきつけて良いものかどうか悩むところです。

いったい、人って何を理由に人を好きになるのかな。
好きだった誰かに似ているってことだけで好きになる理由になるのかな。
“好き”の根本まで見つめてしまう程に珍しく考え込む彼女ではあるが
最近出たROUROUのバルーンワンピースを見たらどうしても欲しくなり、
彼とのデーティングが決まったらこの服を買おう!絶対買おう!と決心していた。
やっぱりする気なのかデーティング…
というわけでもしもバルーンワンピースを着ている彼女を見かけたら、
良かったねオメデトウ!って言ってあげてね。

2003年04月20日

「ただ買い、ただ食う京都旅行」...こちとらOLじゃ!の巻

前々回の京都の続き。
今まで京都に行くと何はさておき寺に直行&見仏を常としていたのだが
最近それが私の中で微妙に変わりつつある。ちょっと寺に飽きたっての?
こないだの京都滞在中は全く寺を詣でなかったんだ。
東寺には行ったものの、ちょうど21日の弘法さんの市で
怪しげな古道具とかアンティーク着物とかをひやかして歩いただけで仏は見ず。
ごめんねmy帝釈天…って心の中で拝みながら古布を真剣に吟味した。

南座以外の時間は女性誌の京都特集みたいな過ごし方をしちゃったわよ。
とにかく買い物。ぶらぶら歩きながら無駄なものをいっぱい買った。
今更なんですが「永楽屋 細辻伊兵衛商店」の手拭いに目下夢中です。
創業は江戸元和年間、今の店主は14代目細辻伊兵衛氏であるらしい。
「かまわぬ」とはまた違った味わいの、
明治終りから昭和初期にかけてのレトロ&モダンな復刻版手拭いは
度肝を抜く大胆なデザインとへんてこりんな可愛らしさで病みつきになる。
わしらが行った祇園店の二階には手拭いギャラリーもあって、
昔のものとはいえ今見てもかなり突飛で斬新な図柄の手拭いが
これでもかの迫力で展示されておりまする。これは既にアートの域だね。
しつこい程にとっくりと眺め、手拭いハンカチやら手拭い巾着やら
念願の手拭いトートバッグやらしこたま買い込んだアートなわたくしである。

物欲の後は食欲で、今回はいまどきの町屋風カフェなんて
Hanakoっぽいお店も沢山チェックしたさ。
寺バカ仏バカで、あそこの寺の文殊菩薩最高!なんて言ってたわしらが、
線香とか数珠買って更に独鈷(密教の法具)が欲しいよねなんて言ってたわしらが
カフェだって。どうなのよOLみたいじゃん。ま、一応OLだからいいか。
等々の葛藤もありつつ町屋を改造したエスニック料理屋に行ったりしたの。
それがまた結構良かったのよねー。こんなのも楽しい….とは思ったが、
志半ばで俗世に下ってしまった修行僧が未知の快楽を知って流されておる之図、
というイメージが何故か頭に浮かび後ろめたくもあったりする。
しかし何に対して後ろめたいのかは自分でもよくわからん。

バカ買い物を挽回するわけじゃないけど、京大に併設されてる博物館に行って
チンパンのアイが実際にやっているのと同じ問題にもトライしてきた。
思いっきりアイより成績悪かったけどね!ははは、やっぱりバカ?

2003年04月01日

「夜桜物語」...桜の木の下には古い記憶が埋まってイル

終電ぎりぎりまで残業して会社を出ると
昼間上昇した気温に背中を押されて一気に咲いた桜が見事に満開だった。
駅までの道を、図らずも夜桜見物と洒落込んで一緒に歩いた。
新月さんはその頃世界で一番好きな人だった。
新月は見えないけれどそこに居て、月である事に変わりない。
そんな意味合いで新月さんと呼んでいたんだがよくわからない名前だね。
夜の空気は澄んでいて、ちょっと心細くなるような春の匂い。
こんなに哀しくなるくらい綺麗な桜は見たことがない。
− やっと二人きりになれたね。とキメキメにふざけて言う新月さんに
気のきいた受け答えも返せない程にコドモだった私は、はははと力なく笑った。
しばらく桜について他愛も無い感想を述べ合った後、
− で、さっきの電話の男は誰?とおもむろに聞かれる。
彼氏からかかってきた電話を新月さんに取られてしまった間の悪さ。
− 新月さんの知らない人。以上、質問打ち止め!って口調で答えると、
− ふーん、いつのまにか彼氏がいたんだ。と意地悪く言われる。
− 新月さんだって奥さんいるじゃん。負けずに意地悪く言ってみた。
− うむ。そうだね。
なんとなく黙り込む。下り電車が我々を追い越していく。
− 主張するところはわかるけど、
と独り言みたいに呟いて、ひらひら落ちてきた花びらを目で追いながら
− でもやっぱりヤだな。って新月さんは言った。
じ、じぶんかってなやつ…あまりの自分本位な言い草にあきれかえるが
ちょっぴり嬉しいと思う自分にこれまたあきれる。
とっても、手をつないで歩きたかった。
でもここいらで手をつないだら流石にマズイと判断できる程にはオトナだった。
桜よ、今すぐ散ってよ。何もかも見えなくなる位の桜吹雪を起こしてよ。
しかしてそんな思いを知る由もない桜は何処吹く風で今が盛りと咲き続け
駅までの案外短い道のりは不毛のまま終わり、
お疲れ様と挨拶し合ってそれぞれ帰るべき場所に帰ったのでした。

夜桜は色んな事を思い出させる。
けど、この物語はフィクションです。